脳神経の疾患はイヌでは多くの病気があります。
先天異常である水頭症や後頭骨形成不全症など。肉芽腫性脳脊髄膜炎、椎間板ヘルニア、馬尾症候群、脊椎管拡張症、ウェルシュコーギーの脊髄変性症、てんかん、大脳萎縮(アルツハイマー様疾患)、脳脊髄の腫瘍など。
外科的な治療が必要な場合と、内科療法、理学療法が有効な場合があります。
高難度の神経外科や、放射線治療などは、しかるべき診療機関に紹介し、対応して頂いております。
§ 椎間板ヘルニア
ミニチュアダックスが代表的ですが、他にペキニーズやビーグル、トイプードルにも発生します。背骨の椎骨と椎骨をつなぐ椎間物質が逸脱して脊髄を圧迫して麻痺をおこす病気で、突然後躯が立たなくなったり、歩行困難になったりします。
程度により外科手術により飛び出した椎間物質を取り除き、神経の圧迫を取り除く必要がある場合と、内科療法と理学療法の組み合わせで治癒する場合があります。手術の適応かどうかは、深部痛覚の有無を判断基準にしておりますが、手術に踏み切る前にMRI検査の所見を確認します。
§ てんかん
原因は特定できないものの、突然の強直や意識障害が発生し、数分で全く問題な元の状態に戻る症状が見られます。治療は抗てんかん薬の投与になりますが、発作の頻度や強さによって薬の種類、量が決まります。軽度の場合はご相談の上経過観察となります。
§ 痴呆症
ビタミンや脂肪酸の投与により若干の改善を見ることもありますが、実際的には治療法はありません。徘徊や夜泣きなど、ご家族にとって大きな負担となります。
動物の高齢化に伴い、今後多くみられることと考えられます。様々なご相談や一時預かりなど、ご家族の負担の軽減も我々にできる大切なサービスです。